米議会に侵入「Q-Anonの祈祷師」とは何者か──トランプ支持をやめない日本人の罪
移民や性的少数者に敵意を隠さないトランプ大統領は、欧米諸国に広がる白人至上主義の一つの要、言い換えるとヘイトの後ろ盾になってきた。白人至上主義者の視点で世界をみてトランプを支持する日本人は、その時点で他者に精神的に従属していることになるのだが、そうした者に同情しなければならない義理はない。
むしろ、ここで重要なことは、白人至上主義の観点からみてアジア系もまたヘイトの対象になるということだ。
コロナ禍により欧米ではアジア系への差別・偏見が広がっており、例えばこの20年間でアジア系への暴力が減少していたアメリカでも、昨年上半期だけで2100件のヘイトクライムが報告されている。こうした兆候はアメリカに限らず、例えばイギリスでもアジア系へのヘイトクライムが21%増加したという報告がある。
コロナ禍をきっかけとするアジア系差別は中国への不信感の表れといえるが、トランプ大統領の言動はこれに拍車をかけてきた。選挙に負けてもそれを認めないトランプの姿は、ただでさえコロナ禍で反アジア系の気運を高めていた白人至上主義者をさらに鼓舞する。
ところで、ほとんどの欧米人の眼に日本人と中国人の区別はつかない。つまり、トランプ大統領を支持する日本人は、そのつもりのあるなしに関わらず、欧米に暮らす日本人が直面するリスクを喜んでいることになる。
トランプ支持者のほとんどは「愛国」をしばしば口にするが、その言葉の重みはこれまでになく低下していると言わざるを得ないのである。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
※筆者の記事はこちら。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
「核兵器を使えばガザ戦争はすぐ終わる」は正しいか? 大戦末期の日本とガザが違う4つの理由 2024.08.15
パリ五輪と米大統領選の影で「ウ中接近」が進む理由 2024.07.30
フランス発ユーロ危機はあるか──右翼と左翼の間で沈没する「エリート大統領」マクロン 2024.07.10