中国はなぜいま少数民族の弾圧を加速させるか──ウイグル強制収容所を法的に認めた意味
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国外逃亡を図りタイで身柄を拘束されたウイグル人 Andrew RC Marshall-REUTERS
・中国政府はこれまで存在を否定していたウイグル人の強制収容所に法的根拠を与えた
・これはアメリカが人権問題を中国批判のツールとして用いることへの外交的な対抗手段である
・さらに、ウイグル問題で中国に批判的なトルコを抑え込む目的もうかがえる
中国政府は10月10日、これまで存在を否定していた、少数民族ウイグル人を収容する事実上の強制収容所である「再教育キャンプ」を、社会復帰を促すための「職業訓練センター」として法律に明記したことを明らかにした。
少数民族への弾圧が強化されることは習近平体制の強権化を大きな背景にするが、それがこのタイミングで行われたきっかけには、アメリカとの対立やトルコへの圧力といった国際的な要因があげられる。
「再教育キャンプ」とは
「再教育キャンプ」とは「過激思想にかぶれた」とみなされるウイグル人を拘束し、共産党体制を支持する考えに改めさせる強制収容所で、2018年5月段階で100万人以上が収容されているとみられる。
約1,100万人のウイグル人は中国の少数民族のうち最も人口が多く、そのほとんどが西部の新疆ウイグル自治区に暮らしている。大多数がムスリムのウイグル人の間には、漢人・共産党支配への反感が根強くあり、1990年代からは分離独立運動やイスラーム過激派の台頭もみられる。
これまで中国政府は、「新疆では信仰の自由が守られている」と強調し、分離独立を求める勢力を「テロリスト」と呼んで取り締まりを正当化してきた。
歴代の国家主席と比べても習近平国家主席は権力を絶対化しようとしており、その一端として少数民族への取り締まりも強化されている。その結果、「テロ対策」としてウイグル人のDNAや虹彩が採集されるなど、新疆ウイグル自治区は巨大な監獄と化しており、再教育キャンプはその象徴となってきた。
ただし、中国政府はこれまで再教育キャンプの存在そのものを否定してきた。それが一転して法的根拠を与えたことは、国策としての「反体制的な少数民族の管理」を、これまで以上に進める意志を内外に示す。
なぜこのタイミングでか
とはいえ、既に国際的に高まっていた批判を公然と無視するものだ。中国はなぜこのタイミングで再教育キャンプに法的根拠を与えたのか。
そこには大きく二つの理由があげられる。第一に、アメリカとの関係悪化だ。
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