ドキュメンタリー映画『教育と愛国』が記録した政治の露骨な教育介入
......教育と愛国というキーワードを導線にしながら、多くの人が登場する。そもそもはテレビドキュメンタリーだったが、放送後に起きた日本学術会議の任命拒否問題なども取材して再構成を重ねて映画になった。
ロシア国民によるプーチン大統領への支持率が80%を超えていることを多くの人はいぶかるが、もしもあの時代にこの国で世論調査が行われたならば、ほぼ100%が中国侵攻や軍事政権を支持していたはずだ。
人は環境によりどのようにも変わる。だからこそメディアと教育は重要だ。そのメディアが愛国心に侵食された教育に挑む。二大怪獣の最後の決戦だ。
『教育と愛国』(公開中)
©2022 映画「教育と愛国」
製作委員会
監督/斉加尚代
出演/吉田典裕、池田剛、吉田裕、伊藤隆
<本誌2022年5月31日号掲載>
偶然が重なり予想もしない展開へ......圧倒的に面白いコーエン兄弟の『ファーゴ』 2024.11.22
韓国スパイ映画『工作』のような国家の裏取引は日本にもある? 2024.10.31
無罪確定の袴田巖さんを22年取材した『拳と祈り』は1つの集大成 2024.10.19
『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思っていたが...... 2024.10.12
台湾映画『流麻溝十五号』が向き合う白色テロという負の歴史 2024.09.10
アメリカでヒットした『サウンド・オブ・フリーダム』にはQアノン的な品性が滲む 2024.08.30
成熟は幻想、だから『ボクたちはみんな大人になれなかった』の感傷を共有する 2024.07.27