最前線にいた元皇軍兵士14人が中国人への加害を告白──『日本鬼子』の衝撃
この映画が公開されてからほぼ20年。日本では今も、南京虐殺はなかったとか、従軍慰安婦はいなかったと主張する人が後を絶たない。あの戦争はアジア解放が大義だ、虐殺などあるはずがない、と。だから認めない。直視しない。多くの人が使う「先の大戦」という呼称が象徴的だ。固有名詞がないのだ。今さら『主戦場』が激しい論争を呼び起こすことが、この国の現状を端的に示している。つまり日本は今も、自分たちの加害行為を歴史にできていない。
上映が終わって出口に向かう通路を歩いていたら松井稔監督と擦れ違った。静かに握手を求められたけど、感想は何も言えなかった。「圧倒されました」とつぶやいたかもしれない。それが精いっぱいだった。
『日本鬼子(リーベンクイズ) 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白』(2001年)
©「日本鬼子」製作委員会
監督/松井 稔
ナレーション/久野綾希子
<本誌2020年5月19日号掲載>
【関連記事】「顔の俳優」高倉健は遺作『あなたへ』でも無言で魅せた
【関連記事】若かりしショーケンと田中邦衛の青春映画『アフリカの光』をDVDでは観ない理由
9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。
ナチスへの復讐劇『手紙は憶えている』とイスラエルをめぐるジレンマ 2025.01.17
和歌山県太地町のイルカ漁を告発した映画『ザ・コーヴ』は反日なのか? 2024.12.21
統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年を記録した『どうすればよかったか?』 2024.12.07
偶然が重なり予想もしない展開へ......圧倒的に面白いコーエン兄弟の『ファーゴ』 2024.11.22
韓国スパイ映画『工作』のような国家の裏取引は日本にもある? 2024.10.31
無罪確定の袴田巖さんを22年取材した『拳と祈り』は1つの集大成 2024.10.19
『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思っていたが...... 2024.10.12
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員