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マクロン仏大統領の勢力は支持率3位に...右派と左派のポピュリストに「挟撃」され、沈む中道連合
フランスは希望ではなく、怒りや悲しみに支配されている
バルデラ氏のリーダーシップの下、国民連合は欧州議会選で大躍進した。カリスマ性と若い有権者へのアピール力を武器に「フランスは消滅しつつある」と国家衰退の危機感を煽る。バルデラ氏は英紙フィナンシャル・タイムズのインタビュー(6月26日)にこう答えている。
「フランス人は変化を求める準備ができている。7年に及んだマクロンの残忍な統治と決別する。欧州連合(EU)予算への拠出金を20億ユーロ削減する」と述べる一方で「経済政策は経済界の信頼と安定を確保するため多くの現実主義から成っている」と動揺する市場の抑制に努めた。
ロシアとの戦争に発展しない限りウクライナへの軍事支援も約束した。しかし過激派とみなされたモスク(イスラム教の礼拝所)の閉鎖や導師の国外追放を容易にする措置やイスラム主義を強調する衣服の禁止など「イスラム主義イデオロギーと闘う」法案を推進するという。
フランスはいま希望ではなく、疲労と怒り、悲しみ、恐怖に支配されている。有権者はマクロン氏に不満をぶちまける方法として、国民連合に走る。こうした空気がフランス国民議会選の結果を通じて、極右政党「ドイツのための選択肢」が台頭する隣国に伝播するのは避けられまい。
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