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中国紙「史上最強の人民軍を構築せよ」 ペロシ訪台は中国を怒らせただけなのか?
北京は台湾との緊張も劇的に強めている。5月に中国軍機30機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入するなど、中国は台湾のADIZやその周辺で爆撃機、戦闘機、偵察機によるパトロールを強化する。米国防総省は「人民解放軍(PLA)は第三者の介入を抑止・遅延・拒否するとともに、台湾を武力で統一する準備をしている恐れが強い」と警告する。
ペロシ氏は「中国共産党が台湾を、民主主義そのものを脅かしているのを黙って見ているわけにはいかない。実際、世界が独裁と民主主義の間の選択に直面している時にこの旅に出た。台湾を訪問することで私たちは民主主義へのコミットメントを尊重し、台湾の、そしてすべての民主主義国の自由が尊重されなければならないことを再確認した」と力を込めた。
環球時報「人民軍は主権と安全を守るために戦うことを恐れない」
中国共産党機関紙「人民日報」系「環球時報」(英語版)は「PLAは主権と安全を守るために戦うことを恐れない」という論説を掲げた。「PLAは1日、95歳の誕生日を迎えた。世界情勢が覇権主義と冷戦思考に包まれた激動期を迎える中、『国が本当に強く安全になるには強い軍隊が必要』というスローガンが中国人の間でコンセンサスとなった」という。
PLAが100歳を迎える2027年までに中国は台湾に侵攻する準備を整えるとの見方もある。
スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、中国は27年連続で国防支出を増やし、現在、アメリカに次ぐ世界2位の軍事大国だ。昨年は前年比4.7%増の推定2930億ドル(約38兆9300億円)を国防費に充てた。南シナ海と東シナ海での中国の活動を警戒する米英豪は安全保障パートナーシップ「AUKUS」を結んで対抗する。
環球時報は「ペロシの挑発は中国が歴史上かつてないほど強力な人民軍を構築する必要があることを改めて証明するものだ。ペロシがPLAを恐れているからこそ目立たないように行動したのだろう。PLAが恐くなければ台湾の民進党当局や分離派もより無謀な行動をとることも考えられる」と説く。
「ペロシのような外患と台湾分離派の存在と結託はPLAへの要求を高めている。わが軍は戦争に向けた訓練と準備を怠ることはできず、PLAを世界に通用する軍隊に発展させることを加速させなければならない。PLAは40年近く戦争をしたことがない。長い間、平和に過ごしてきた結果、戦うことを知らなくなるような事態は避けなければならない」と戒める。
米軍当局者「いま台湾を訪問することは良い考えではない」
英紙フィナンシャル・タイムズによると、当初、ペロシ氏は4月訪台を計画していたが、コロナ検査で陽性反応が出たため、8月に延期した。ジョー・バイデン米大統領は7月下旬、ペロシ氏の訪台計画について「米軍当局者はいま台湾を訪問することは良い考えではないと考えている」と発言して、ペロシ氏の「議員外交パフォーマンス」を牽制した。