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9日にプーチン勝利宣言? ゼレンスキー「それでもマリウポリは絶対に陥落しない」
マリウポリで戦闘に巻き込まれて犠牲になった市民の墓 Alexander Ermochenko
<ウクライナのゼレンスキー大統領が率直に語ったマリウポリの悲劇的な現状と、自国にとっての「勝利」の定義、そして他国に望むこと>
[ロンドン発]ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「勝利宣言」を想定していた5月9日の対独戦勝記念日が迫る中、徹底抗戦するウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がトレードマークの「緑の戦闘服」で6日、英有力シンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)のZOOMイベントで参加者の質問に答えた。
ロシア軍に包囲されるウクライナ南東部マリウポリの製鉄所アゾフスターリの地下に子供20人を含む約200人の市民が身を潜めている。ゼレンスキー氏は「市民を救うために私たちは外交的解決策を模索し、それを実現するため赤十字や国連と協力して人道的回廊を整えようとしている。しかしロシア軍は民間人も軍人も同じように扱っている」と説明した。
「マリウポリの包囲戦は飢餓による拷問だ。誰も食料を手に入れることができない。すべての国際機関がその地域に入ることを禁止され、飲料水すら供給できない。ロシア軍に包囲されていない市民はロシアからいかなる食料や水を供給されてもプールの水を飲むことを選ぶだろう」と表情を曇らせた。
「ロシア軍は獣のように振る舞っている。これがロシア軍のウクライナ市民の取り扱い方だ。その残酷さには誰しも打ちのめされるだろう。死は戦争によって引き起こされるのではない。市民は拷問によって命を落としている。これはテロと憎悪そのものだ。非人道的で卑劣な扱い、拷問に責任を負うのは誰か。軍ではない。プロパガンダ機関に責任がある」と指摘する。
「銃を撃つ前にデマとプロパガンダが憎しみを作り出した」
ゼレンスキー氏によると、ウクライナに対する本格的な戦争が始まる前にロシアのプロパガンダ機関は憎悪を煽り、過熱させた。「両国は少し前まで良き隣人で、共通した歴史と家族を持ち、互いに混在していた。それが拷問に行き着いた。銃を撃つ前にデマとプロパガンダが憎しみを作り出した。それが一番怖い。人間がやったことの中で最も恐ろしいことだ」
マリウポリが陥落した場合、戦争の行方にどんな影響があるのかという問いには「ロシアは9日に勝利パレードをしたいはずだ。しかしマリウポリは絶対に陥落しない。ヒロイズムではない。陥落するものは何もないからだ。すでに都市は完全に破壊されている。製鉄所がわずかに残っているだけだ。彼らが残された市民を虐殺すれば外交手段はなくなる」と語気を強めた。
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