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プーチンの「取り巻き」が見せる反逆の兆候...「独裁者」の足元が崩れ始めた
「気の狂った人間だけが核兵器を使用することができる。もしプーチン氏が狂っているなら核のボタンを押せるだろう。しかしプーチン氏1人でそれができるわけではない。何人かがそのプロセスに関わるだろう」
「少なくとも2人、3人の人間が行動を起こす必要がある。プーチン氏の周りの人間が彼と同じほど狂っていないことを祈るのみだ。プーチン氏はそれをやりたがっているが、彼の周りにいる全員が喜んでやるとは思えない」とマリーナさんは筆者に語った。
ロシアマネーと原油・天然ガス欲しさに、西側はプーチン氏の暴走に目をつぶり続けてきた。プーチン氏批判の急先鋒だったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさん殺害、リトビネンコ氏暗殺、2008年のグルジア(現ジョージア)紛争、14年のクリミア併合とウクライナ東部紛争、18年の市民が巻き添え死した元二重スパイ父娘暗殺未遂事件でも西側はプーチン氏を追い詰めるような制裁は控えてきた。
マリーナさんは「プーチン氏は以前からレッドライン(越えてはならない一線)を越えていたと思う。しかし西側はプーチン氏の攻撃を恐れていたため協力しようとしてきた。彼がどんなひどいことをしてもロシアとのビジネスは通常通り行われてきた」と批判する。
「プーチン氏は西側が弱く、団結してロシアに対抗できないと思い込んできた。彼は自分のしたいようにできると判断した。しかし今回は違う。そんな時代は終わったのだ。彼は大きな間違いを犯した」
しかし「今、西側はやるべきことをすべてやっているが、以前に行うことができたはずだ。何度もチャンスを逃してきた。クリミア併合、ウクライナ東部紛争に対する制裁も十分ではなかった。もっと断固とした措置をとっていればウクライナで今起こっているような事態は回避できたかもしれない」とマリーナさんは言う。
一斉に戦争反対の声を挙げるオリガルヒ
プーチン氏に近く「アルミ王」と呼ばれるオレグ・デリパスカ氏は「いったい誰がこのパーティーの代金を支払うのか。戦争を終わらせるための話し合いをできるだけ早く開始すべきだ」とSNSに書き込んだ。これまでプーチン氏を批判したことがないオリガルヒ(新興財閥)が一斉に戦争反対の声を上げた。
マリーナさんは「この20年間、オリガルヒがプーチン政権からいかに利益を得てきたかを私たちは見てきた。彼らは一段と裕福になり、サッカーの名門クラブ、不動産やヨットなどありとあらゆるものを購入した」と言う。
「しかし今、彼らはすべてを失いそうになっている。プーチン氏がやっていることを支持するのか、それとも自分たちが持っているものを守るためプーチン氏に反対するのか。彼らにとって重大な決断の時を迎えている」
「デリパスカ氏らクレムリンに近いオリガルヒがプーチン氏に反対することはなかった。それが説教をするようになった。プーチン氏の家族、親戚、娘が彼を止めるかもしれない」