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オミクロン株 飲食店の屋内営業を制限しなければ最大7万5千人の死者 英大学が警告
最楽観シナリオと最悲観シナリオでそれぞれS0、S1、S2の対策をとった場合の入院患者数と死者数は下のグラフの通りだ。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)のモデリング予測(査読前論文より)
一番悲観的な(4)のシナリオでは1日当たりの新規入院患者は7190人(5230~1万40人)に膨れ上がり、今年1月のピークだった3800人をはるかに上回る。このため、ステップ2以上の厳しい対策が必要になる。外出を禁止(ステップ0)しても入院患者は17万2千人(13万3千~21万7千人)、死者は2万7千人(2万300~3万4400人)に達する。
研究チーム「マスク着用、社会的距離、予防接種だけでは不十分」
研究を主導したLSHTM感染症数理モデリングセンターのロザンナ・バーナード博士は「最楽観シナリオでは在宅勤務など穏やかな対策で軽減される。しかし最悲観シナリオでは医療機関に負担をかけないためより厳しい制限に耐えなければならないだろう。マスク着用、社会的距離、予防接種は不可欠だが、それだけでは不十分な恐れがある」と語る。
「オミクロン株がデルタ株に比べて免疫回避率や感染力が強い場合、医療を守るために最後の手段が必要になる可能性がある。意思決定者はこれらの対策が疫学面だけでなく、より広い社会的な影響を考慮することが重要だ。今後数週間の間にさらに多くのデータが得られれば、どのような影響があるかがさらに明らかになってくる」
バーナード博士は明言を避けたが、「最後の手段」とはロックダウンを指しているとみて良いだろう。
共同研究者のニック・デイビス博士は「現在の傾向が続けば12月末にはイギリスの感染者の半数がオミクロン株になる可能性がある。3回目接種をしない場合のシナリオでは入院者数のピークが3回目接種をした場合のシナリオに比べて5倍に膨れ上がる恐れがある。3回目接種が不可欠であることが示唆されている」と強調する。
スコットランド主席医務官「100人いる部屋なら50人が感染」
スコットランドのグレゴール・スミス主席医務官が「オミクロン株の罹患率は50%以上だ。100人いる部屋で1人がオミクロン株に感染していれば少なくとも50人が感染する可能性がある」と指摘するように、オミクロン株によるスーパースプレッダーイベントはデルタ株に比べてはるかに起こりやすい。
英保健安全保障局は10日「これまでの分析によるとオミクロン株の再感染リスクはデルタ株の3~8倍になると考えられる。12月中旬までに国内の感染者の半数以上がオミクロン株となる」と予測する報告書を公開し、このまま増加すれば年末には1日10万人以上の感染者が出るだろうと警鐘を鳴らした。