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COP26合意「赤字国債ならぬ『緑字国債』発行に期待」──和製ソロス 浅井將雄氏が語る
「ポートフォリオの中で30年までに10年比で排出量を25%、そして45%減らしていくには何をすればいいのか。石炭火力発電に対する融資を止めましょうとか、植林をしましょうとか。具体的にESGの概念から次のステップとしてESGのインテグレーションを行っていくということを教育したり、研究したり、最も倫理的なやり方をわれわれが打ち出していかなければならないと思っています」
「今回、COP26に来てみて分かるように、ここで話されているのはデファクトスタンダードをどう決定していこうかということです。途上国を支援するために年1000億ドルの資金がいる、日本は100億ドルの追加支援を表明しましたが、金銭をつけることよりも、大きなポイントはデファクトスタンダードを政治的に取っていく争いが激しく繰り広げられたということです」
──大阪大学大学院国際公共政策学科招聘教授(ESGインテグレーション研究教育センター)に就任されたそうですね
「世界的にESGへの注目が高まる中、日本とイギリスの教育の架け橋を行うわれわれの財団法人・日英機構の理事である星野俊也前国連大使が大阪大学に戻られました。日英機構とともに日本にESGインテグレーションの教育や研究を行う場をおこしたいと大阪大学にESGインテグレーション教育研究センターを設立しました。10月1日から国際公共政策研究科と法学部の学部生を対象にESGの概論とインテグレーションについて授業を始め、それに伴って日本の大手金融機関をはじめ、複数の団体からのサポートを得ながらセンターの活動をスタートしました」
「日本の政府や企業にどうしたらESGができるのか、どうしたら効率よくできるのか、そしてグローバルに有効なESGをどのように広げていくのかを発信できる場にできればいいなと考えています。COP26ではイギリスが成果を上げて注目を集めました。日英機構や大阪大学のESGインテグレーション研究教育センターを通じて次世代にどういう形でESGの概念を定着させ、実際にESGを手に取って一人ひとりの国民ができることは何かをしっかり伝えることができれば価値があるのではと思っています」
浅井將雄(あさい・まさお)氏 旧UFJ銀行出身。2003年、ロンドンに赴任、UFJ銀行現法で戦略トレーディング部長を経て、04年、東京三菱銀行とUFJ銀行が合併した際、同僚の米国人ヤン・フー氏とともに14人を引き連れて独立。05年10月から「キャプラ・インベストメント・マネジメント」の運用を始める。ニューヨーク、東京、香港、シンガポールにも運用拠点を置く。