インフレと金利上昇で揺れる不動産市場...「持ち家」「賃貸」論争に変化の兆し?
だが近年は、新規物件の開発があらゆる地域に及んでおり、一昔前では人気がなかった地域にも次々とマンションが建設されている。ブルックリンにある、築3年、床面積115平方メートルの中古マンションは、190万ドル(2億8500万円)で販売されていた。現在のニューヨークでは、住所にかかわらず裕福な層しかマンションを購入できないのが現実といえるだろう。
イギリスのロンドンも似たような状況であり、不動産価格の高騰はたびたび政治問題化している。ロンドンはもともとシティと呼ばれる金融街が発達しており、世界各国から多くの投資マネーを集めることでビジネスを成り立たせてきた経緯がある。海外投資家にとってロンドンの不動産は、最も安全で確実に投資できる優良資産の1つであり、こうした海外マネーの流入が物件価格の高騰に拍車をかけている状況だ。
海外マネーの影響は東南アジア各国でも顕著となっている。フィリピンやタイは比較的所得の高い外国人の移住を積極的に受け入れる政策を続けており、外国人向けの投資優遇策を打ち出している。両国では、もともと外国人による不動産取得には制限が加えられているが、集合住宅は自由に購入できるので、外国人投資家にとって魅力的な投資対象となっている。
タイの首都バンコクでは、外国人が多く住むスクンビットと呼ばれるエリア(東京では港区に相当する)を中心に高層コンドミニアムが多数建設されており、日本人購入者も多い。フィリピンの首都マニラではマカティと呼ばれるエリアがこれに相当する。バンコクのスクンビットにある好立地のマンション(築13年、床面積67平方メートル)は約6400万円と日本に近い水準だ。
両国の平均所得は先進国ほど高くないため、これまで自国民が買う物件と外国人が買う物件には大きな隔たりがあった。
各国と事情が違う中国の状況
だが、近年の目覚ましい経済成長によって、その差が縮まりつつあり、外国人が購入する物件の一部は、自国民のアッパーミドル層が買うようになっている。近い将来、多くの新興国でこうした二重価格解消の動きが進む可能性が高い。
各国と少々異なる動きをしているのが、不動産バブルが崩壊した中国である。中国は海外マネーではなく、自国のバブル的な投資熱によって不動産価格の高騰が続いていた。だが21年に不動産バブルが崩壊し、価格の下落が今も続いている。中国の不動産バブルは80年代の日本における不動産バブルとよく似ている。経常黒字と金融緩和が過剰流動性を生み出し、これが不動産に集中する形で価格が高騰。崩壊後の不良債権処理についても、日本と同様しばらく時間がかかるとの見方が多い。
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