インバウンドに期待する日本の勘違い...「爆買い」中国人はもう帰って来ない?
別人のように変貌した日本人観光客たち
では、良くも悪くもワイルドだった日本人観光客がその後、どうなったのかといえば、まるで別人と思えるまでに変貌した。90年代に入ると、海外旅行にも慣れ、個人旅行が大幅に増加。観光地ではなく、現地の人が好む店を開拓するなど、買い物よりも「コト消費」を重視する成熟した観光客となっている。
過去10年の中国はまさに日本の80年代であり、中国が日本の後追いをしているという現実を考えると、中国人観光客の消費は今後、一気に成熟化していく可能性が高い。中国人に代わって爆買いの主役を担うのは、これから豊かになっていく東南アジアの人たちだろう。
今後のインバウンド需要を確実に取り込むためには、中国人向けにはより成熟したサービスを提供し、東南アジア向けには、従来型のサービスを提供するといったメリハリが必要となる。観光客が成熟してくると、主要な観光地以外にも足を延ばす人が増えるので、地方にとってはチャンスとなるかもしれない。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される 2024.10.30
【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象 2024.10.18