「ロシア支援者」のそしりを受けるか、中国に権益を手渡すか...日本の苦しい二択
もう1つの懸念材料は、仮に撤退した場合、その権益が誰に渡るのかという問題である。日本が手放した権益については、ロシア産の天然ガスを欲しがっている中国が獲得する可能性が高く、そうなると中国を大きく利することになる。
日本はかつて、アメリカなど西側各国がイランに対して制裁を実施しているにもかかわらず、独自外交と称してイランとの石油開発プロジェクトを継続した過去がある。結局、アメリカとイランの対立が長く続き、最終的には日本も撤退に追い込まれ、投資を回収することはできなかった。
西側が制裁を強化しても、日本は一線を画しロシアとの協力関係を維持するのか、中国にメリットがあっても対ロ制裁を重視するのか、日本は重要な選択を迫られている。厳しい状況だが、今回の一件は日本にとって何が本当の国益なのかを考えるきっかけになる。国民的議論を行うことが重要だろう。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される 2024.10.30
【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象 2024.10.18