GDPプラス成長でもまったく喜んでいられない満身創痍な日本経済
日米でこれほどの差が生じているのはワクチン接種の違いだが、それだけが原因ではない。アメリカは過去30年にわたって好景気が続いており、十分な基礎体力がある。
一方、日本は同じ期間で事実上のゼロ成長が続き、満身創痍の状態といってよい。コロナ危機のような事態が発生すると体力が弱い国の落ち込みは大きくなり、回復までの時間も長くなる。経済の基礎体力に加えてワクチン格差という致命的な材料が加わったので、残念ではあるが、日本経済の回復には相当な時間がかかると思ったほうがよい。
7~9月期については五輪開催があったとはいえ、感染はむしろ深刻化しており、よい結果は期待できない。とにかく接種が進まないことには消費は回復しないので、今はワクチンの確保に全力を挙げてもらうしかない。
全国知事会はロックダウンを含むより厳しい措置を政府に求めているが、仮にそうした事態になった場合、大規模な経済支援をセットにしなければ日本経済はさらに大きなダメージを受けるだろう。

アマゾンに飛びます
2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
消費者への支援はもう無理? トランプ関税で、大幅な方針転換を迫られた「景気対策」の行方 2025.04.24
トランプは関税発動とインフレ退治のどちらを優先? ついに見えてきた「トランプ経済」の中身 2025.04.03
日本維新の会、「社会保険料の引き下げ」「医療費削減」主張...背後にある「思惑」とは? 2025.03.12