トヨタのディーラー網見直しから見えてくる日本経済の新しい姿
国内では2000年以降、軽自動車の割合が急上昇したが、これは労働者の実質賃金が低下する中、より安いクルマを求めた結果である。
これに加えて、ライフスタイルが多様化していることから、地域によって売れ筋の車がバラバラということも珍しくなくなった。全国一律の販売戦略を実施することの効率の悪さが目立つようになっている。
こうした事態をうけてトヨタは販売戦略の抜本的な見直しを決断。2025年をめどに、現在60種ほどある車種を半分に絞り、すべての販売店で全車種を販売できるようにする。
成長から成熟へ、所有から利用へ
今後はいよいよ総人口の減少が始まることから、自動車はますます売れなくなる可能性が高い。さらに追い打ちをかけるのがカーシェアリングの普及である。
1台の自動車を複数の利用者が共同で使うカーシェアリングの市場は、今後、急速に拡大すると予想されている。
これまで多くのカーシェア事業者が月額基本料金を設定していたが、最近では基本料金を無料にする事業者も現れている。固定料金がなくなれば心理的負担が一気に軽減するので、利用者はさらに増えるだろう。カーシェアの台数はまだ数万台と自動車メーカーを脅かすレベルではないが、サービスが普及した分だけ新車の販売台数にはマイナスの影響が及ぶ。
トヨタはすでにカーシェアリング事業に本格参入する方針を固めており、全国の販売店網をカーシェアの営業拠点にする準備を進めている。高齢者の見守りなど地域密着型サービスの展開も視野に入れるとのことなので、近い将来、自動車販売店の姿は大きく変貌することになるだろう。
一連の変革は、戦後のトヨタとしては最大級の決断といってよい。
トヨタがこれだけの決断を行ったということは、「成長と所有」を前提にした経済の仕組みが根本的に変わったことを意味している。日本社会は名実ともに「成熟と利用」の時代に向かって動き始めている。
日本維新の会、「社会保険料の引き下げ」「医療費削減」主張...背後にある「思惑」とは? 2025.03.12
「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは? 2025.03.05
石破首相・トランプ大統領の首脳会談が「大成功」と言えるワケ...日本企業の「利益」とは? 2025.02.20
-
「虎ノ門」正社員/外資系企業の受付/未経験OK!想定年収350万円〜/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~30万円
- 正社員
-
外資系投資銀行の総合受付チームリーダー/土日祝休み/月25万円〜
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~35万7,000円
- 正社員
-
外資系企業オフィス運営の統括マネージャー/英語力活かせる/月38万円〜
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給38万円~50万円
- 正社員
-
外資系企業のファシリティコーディネーター/未経験OK・将来の幹部候補/都内
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~36万円
- 正社員