外国人労働者の受け入れ拡大策は、移民政策として実施すべき
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<今月15日に閣議決定された外国人労働者の受け入れ拡大には、わざわざ「移民政策とは異なる」という文言が。2つのテーマがあたかも無関係であるような考えこそが、問題を悪化させる...>
政府は今後、50万人以上の外国人労働者を受け入れる方針を固めた。移民政策ではないと説明しているが、外国人労働者の受け入れと移民を切り離して考えることは不可能である。日本は事実上、移民政策へ舵を切ったと認識すべきだろう。
企業の現場では外国人がいないと業務が回らない
日本はこれまで、外国人労働者の受け入れについては「高度な専門知識を持つ人材に限る」としてきた。だが、これは建前に過ぎず、企業の最前線では単純労働に従事する外国人がいないと業務が回らないというのが現実である。実際、日本での就労を希望する外国人の多くが単純労働者といってよい。
政府は矛盾した状況に対応するため、技能実習という制度を設け、あくまでも実習という名目で単純労働に従事する外国人を受け入れてきた。
しかし、この技能実習制度をめぐっては賃金の未払いや劣悪な労働環境など、海外から奴隷労働であるとして批判されるケースも出てきており、場当たり的な対応はもはや限界に来ている。
法務省によると2017年末時点で日本に滞在する外国人は256万人となっており、このうち27万人が技能実習である。ちなみに2015年に制度がスタートした高度専門職に該当する人は7700人しかいない。また留学生が31万人ほどいるが、この中の一部は単純労働に従事している可能性が高い。
過去5年間で技能実習による滞在者は1.8倍に、留学は1.7倍に増えている。外国人全体の伸びは1.3倍なので、技能実習と留学の伸びが大きいことが分かる。
国内の労働市場は慢性的な人手不足が続いており、外食産業やコンビニなどでは、外国人労働者に頼らないと店舗運営ができないのはもはや常識となっている。少なくとも経済的には、労働者の受け入れ拡大は必至の状況といってよい。
政府は6月15日に閣議決定した経済財政運営の基本方針(いわゆる骨太の方針)に、外国人労働者の受け入れ拡大を盛り込んだ。今後、5つの分野で50万人以上の労働者を受け入れる方針だが、今回、政府が重い腰を上げたのは、産業界からの強い要請があったからだ。
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