コラム

データ分散経済到来の日は近い──プラットフォーマーのビジネスはいずれ終焉を迎える

2018年04月17日(火)13時30分

プラットフォーム企業が優位だった時代においては、自身でコンテンツを作成せず、他人が作ったコンテンツにいわば「タダ乗り」したところが大きな利益を上げてきた。だが、ブロックチェーンで管理されたコンテンツを検索し、自身が設定した条件に合うものだけを対価を払って表示する新しいブラウザが登場した場合、話は変わってくる。

利用者は閲覧に際して多少のコストを支払う必要があるが、自身の個人情報は自身の手で安全に管理され、必要なコンテンツだけを選択した上で、情報に接することが可能となる。

不特定多数のアクセス情報を集中管理し、それをもとに広告や購買に結び付けるというビジネス・モデルが消滅することはないだろう。だが、時代は徐々にではあるが、データの分散化に向けて動き始めている。こうした新しい時代において、フェイスブックに代表されるプラットフォーム企業が、従来と同様のプレゼンスを維持できる保証はない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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