世界の経済学者の「実験場」となりつつある日本
当時のチリ経済は、インフレ率が100%を超えるなどかなり厳しい状況にあり、ピノチェト大統領は、フリードマン氏のアドバイスに従い、自由主義的な経済改革を次々と断行した。国営企業の民営化などが強力に推し進められ、競争力のない企業に対しては市場からの撤退が促された。
その結果、チリは他の南米諸国を上回る安定した経済成長を実現し、チリでの成果は最終的に米国など先進各国の経済政策に生かされることになった。一方で、所得格差が拡大したことなどから、一連の政策を否定的に捉える人や、フリードマン氏の政治的なモラルを問う声も一部にはある。ピノチェト大統領はクーデターで政権の座についた元軍人であり、非民主的な独裁者であったことがその理由である。
ここでは政策に関する是非は議論しないが、重要なのはフリードマン氏が、自らの説を検証したいという強い知的野心を持っており、本当にそれを遂行したという現実である。
米国のスター経済学者は、まさに知的エリートであり、非常に魅力的な振る舞いをする一方、こうした冷酷な面も持ち合わせている。安倍首相は、スター経済学者を次々に官邸に呼びアドバイスを求めているが、彼等が喜んで太平洋の反対側まで飛んでくることには理由がある。
彼等を利用するのか、彼等に利用されるのかは、一種の駆け引きということになるが、日本が直面している現状はゲームにしてはかなり危険な部類に入る。もし日本においてインフレが過度に進む事態となった場合、これを抑制するのは並大抵のことではない。
【参考記事】米経済学者のアドバイスがほとんど誤っている理由
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