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アメリカが「ロシア化」3つのパワーを解放し、世界をリードし続ける
3つ目のパワーは「グローバルサウスあるいは権威主義国の力」だ。
これまでアメリカは民主主義的価値観に沿って行動していた。人権の擁護や公平性、透明性を持たない国とは貿易せず、場合によっては制裁措置を行ってきた。
中露は逆に、民主主義的価値観を押しつけない大国としてグローバルサウスに食い込んでいった。トランプが当選した時、European Council on Foreign Relations (ECFR)が行った調査によれば、グローバルサウスにおけるトランプ人気はきわめて高かった。
グラフをご覧いただくとわかるように自分の国にとっても、世界平和にとってもトランプは期待できると答えている。グローバルサウスはトランプに期待しているのだ。
ロシア化で3つのパワーを解放し、世界のリーダー(のひとつ)となる
これまでアメリカは国際秩序を体現する国家として行動してきた。
これまでの国際秩序とは、民主主義を規範としたものだ。しかし、すでに世界の人口と国の数では非民主主義国の方が多いのが現実だ。アメリカが非民主主義国になれば日本などの同盟国も追随するだろう。
表だって非民主主義を標榜せず、表向き民主主義を標榜しながら実際はそうではないロシアやインドのような修正民主主義国家(illiberalism、民主主義のように見せかけながら実質は非民主主義)へ移行する可能性が高い。
民主主義国から独裁制への移行はハードルが高いが、修正民主主義への移行はグラデーションで抵抗が少なく、そもそもどこまでを民主主義とするかは議論がある。
アメリカとその同盟国の一部が加われば、人口や国の数だけでなく、非民主主義はGDPでも民主主義を凌駕する。より具体的に言えば、EU以外はほとんど非民主主義化すると言ってよいだろう。
かつてアメリカは多くの国の民主化を主導したが、今回はその逆をやるわけだ。前掲のECFRのレポートでもEUの孤立化を指摘していた。
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