トランプ政権は米国債の信用力に配慮を、シタデル創業者が忠告

4月23日、米ヘッジファンド大手シタデル創業者兼最高経営責任者(CEO)のケネス・グリフィン氏(写真)は、トランプ政権は米国債の信用力が損なわれるリスクに注意する必要があると警鐘を鳴らした。2021年2月、ワシントンで撮影。下院金融サービス委員会提供(2025年 ロイター)
Carolina Mandl
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米ヘッジファンド大手シタデル創業者兼最高経営責任者(CEO)のケネス・グリフィン氏は23日、トランプ政権は米国債の信用力が損なわれるリスクに注意する必要があると警鐘を鳴らした。
セマフォー主催のイベントで「われわれは(米国債の)ブランドを危険にさらした」とし、「大統領、財務長官、商務長官はブランドを持つ以上、そのブランドを尊重し強化するような行動を取るべきだと熟慮する必要がある。ブランドに傷をつければ、修復に一生かかる可能性があるためだ」と述べた。
米国債市場ではこのところ、関税をきっかけに混乱が広がり、7日の週には売り圧力が強まる中、利回りが週間で2001年以来の大幅上昇を記録した。
グリフィン氏は関税に反対ではないとしつつ、貿易戦争は「無意味な状況」に陥っていると指摘。「人々は米国に製造業を構築しないだろう。政策の不安定さによって、達成しようとしている目標そのものが損なわれるためだ」と述べた。
トランプ政権発足から100日が近づく中、これまでの成果はまちまちだとし、関税を巡る混乱を批判する一方、「政府効率化省」(DOGE)によるコスト削減の取り組みや、南部国境における移民対策は称賛した。