ウクライナ大統領、ロシアによる中国ドローン技術「盗用」示唆

4月22日、ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は、ロシアのドローン(無人機)製造現場で中国人が働いていると指摘し、ロシアが中国のドローン技術を「盗んだ」可能性があるとの見方を示した。4月15日、ウクライナのオデッサで撮影(2025年 ロイター/Nina Liashonok)
[キーウ 22日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、ロシアのドローン(無人機)製造現場で中国人が働いていると指摘し、ロシアが中国のドローン技術を「盗んだ」可能性があるとの見方を示した。ロシア軍はウクライナへの攻撃でドローンを使っている。
ゼレンスキー氏は首都キーウでの記者会見で「私はウクライナ保安庁に対し、ドローン工場で働く中国人に関するより広範な情報を中国側に伝えるよう要請した」とし、「私たちはロシアが(技術を)盗んだかもしれないと考えている。中国指導部との枠組み以外で中国人らと合意し、技術を盗んだ可能性があるということだ」と発言した。
ゼレンスキー氏は数日前には、中国がロシアに武器や火薬を供給していると批判し、中国が否定していた。ゼレンスキー氏はロシアが中国政府が知らないまま、中国からドローン技術を盗んだ可能性を示唆することで、中国への批判を和らげたとの観測もある。
ゼレンスキー氏は今月、ロシアがソーシャルメディア(SNS)を通じて中国人をロシア軍へ勧誘しており、中国政府当局者も認識していると言及。勧誘された中国人兵士が中国政府の指示を受けているかどうかをウクライナが評価しようとしているとも説明した。ゼレンスキー氏は22日、調査結果を公式ルートで中国政府に伝えるよう当局者に指示したと明らかにした。
一方、中国はウクライナの和平努力を支持すると改めて表明し、中国人がロシア軍に加わっているという「無責任な発言」を避けるべきだと反論した。
ロシア、中国はそれぞれコメント要請に直ちには応じなかった。
ロシアが2022年2月にウクライナへ侵攻した数日前、中国とロシアは「無制限」の戦略的パートナーシップを結ぶとの共同宣言を出していた。