原油先物は上昇、ショートカバーで 関税巡る懸念残る

4月22日、アジア時間の原油先物は上昇。前日の下落を受けてショートカバーが入った。写真は昨年6月、仏トリゲールで撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
Yuka Obayashi
[東京 22日 ロイター] - アジア時間の原油先物は上昇。前日の下落を受けてショートカバーが入った。ただ、米国の関税や金融政策による経済への影響を巡る懸念は依然として漂っている。
0045GMT(日本時間午前9時45分)時点で、北海ブレント先物は0.51ドル(0.8%)高の1バレル=66.77ドル、米WTI先物は0.51ドル(0.8%)高の63.59ドル。
前日は米国とイランの核協議進展を受けた供給懸念後退で、ともに2%超下落していた。
日産証券インベストメントの菊川弘之チーフストラテジストは、前日の大量売り後にショートカバーが幾分入ったと指摘。
その上で、関税戦争による景気後退懸念は根強いとし、関税に関する不透明感が続く中、WTIは当面55─65ドルのレンジで取引される可能性が高いと予想した。
トランプ米大統領は21日、金利が即座に引き下げられなければ、米経済は減速する可能性があるとし、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長に対し早期利下げを改めて要求した。
これを受け、FRBの独立性や米国資産の先行きに対する懸念が高まった。
菊川氏は、米金融政策を巡る不確実性の高まりは、金融市場や経済全般に悪影響を及ぼすとみられ、原油需要の減少につながりかねないとの懸念が高まっていると指摘した。