EU、5月にロシア産原油・ガス輸入打ち切りに向けた計画の詳細発表

4月14日、欧州連合(EU)欧州委員会は、ロシア産原油・天然ガスの域内輸入を段階的に縮小してゼロにするための詳しい計画を5月6日に発表すると明らかにした。写真は、天然ガスパイプラインの模型とEUとロシアの国旗。2022年7月、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は14日、ロシア産原油・天然ガスの域内輸入を段階的に縮小してゼロにするための詳しい計画を5月6日に発表すると明らかにした。
EUは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、27年までにロシアからの燃料輸入をストップすると約束している。しかし具体的な方法を盛り込んだロードマップは、本来3月に予定していた発表時期が5月にずれ込むことになった。
複数のEU関係者はロイターに、この遅れはトランプ大統領が打ち出した関税を巡る不確実性が一因だと説明。今後のEUと米国の通商交渉にエネルギー取引が含まれる可能性がある点に言及した。
欧州委はこれまで、ロシアからのエネルギー輸入縮小を促進するための手段を示していない。専門家は、EUがロシア産天然ガスの輸入に関税を課すのではないかとの見方をしている。
22年以降、ロシアからEUへのパイプライン経由の天然ガス輸入は大きく減少したが、昨年はロシア産液化天然ガス(LNG)輸入が増加。EUが輸入する天然ガス・LNGのうち、昨年時点でもまだロシアからの比率が19%を占めていた。
EUは今後、米国からのLNG輸入拡大を検討するとしている。トランプ氏も、欧州向けのエネルギー販売を増やすことが米国の対EU貿易赤字解消にとって重要になると強調している。
ただ欧州の一部企業や外交官からは、トランプ氏がエネルギーを通商交渉の武器にする意向を示唆していることから、米国産ガスへの依存には警戒感も出ている。