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中国レアアース輸出、3月は急増 ミャンマーの供給混乱を懸念

2025年04月14日(月)14時49分

中国税関総署が14日発表した3月のレアアース(希土類)輸出は、前年同月比20.31%増の5666.3トンだった。写真はレアアースを輸出する江蘇省の港で2010年撮影(2025年 ロイター/Stringer/File Photo)

Amy Lv Lewis Jackson

[北京 14日 ロイター] - 中国税関総署が14日発表した3月のレアアース(希土類)輸出は、前年同月比20.31%増の5666.3トンだった。前月比では76.14%増。

レアアースの主要産出国ミャンマーの内戦で供給が混乱し、価格がさらに上昇するとの懸念で消費国が購入を増やした。中国は世界最大の生産国。

第1・四半期の輸出は前年同期比5.1%増の1万4177.6トン。

中国政府は4日、トランプ米政権が打ち出した中国製品に対する関税措置への報復措置の一環として、7種類のレアアースを輸出規制の対象にすると発表しており、4月のレアアース輸出は減少する可能性が高い。

中・重レアアースのサマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム関連品が輸出規制の対象になる。

ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスのシニアアナリスト、ネハ・ムカジー氏は、重レアアースはすでにミャンマーの混乱で供給が不安定になっており、中国の輸出規制がこれに追い打ちをかけると指摘。中・重レアアースの75%以上がリスクにさらされており、短期的な価格変動に見舞われていると述べた。

同氏は「目先の需要は在庫でカバーできるかもしれないが、当社の予測では、在庫は今年前半までもたない。輸出が遅れるとの懸念で価格が高騰する可能性がある」と述べた。

情報プロバイダーの上海有色網のデータによると、プラセオジム・ネオジム酸化物の中国でのスポット価格は、先月の平均で1トン=44万3071元。前月比で1.4%上昇、前年同月比で25.9%上昇している。

3月の中国のレアアース輸入は前年同月比42.16%減の7756.9トン。ミャンマーが3月27日から既存のレアアース在庫の対中輸出を再開したものの、ミャンマーの供給混乱が響いた。

第1・四半期の輸入は前年同期比30.9%減の2万4679.1 トン。

ロイター
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