原油先物は下落、米中貿易戦争巡る懸念が重し
Katya Golubkova Florence Tan
[東京/シンガポール 14日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落している。米中貿易戦争の激化が世界経済の成長を弱め、燃料需要を減退させるとの懸念が背景。
0126GMT(日本時間午前10時26分)現在、北海ブレント先物は0.29ドル(0.45%)安の1バレル=64.47ドル、米WTI先物は0.27ドル(0.44%)安の61.23ドル。
ともに今月に入り約10ドル下落している。
ゴールドマン・サックスは価格見通しについて、今年は北海ブレント先物が平均63ドル、WTI先物が59ドル、来年は北海ブレントが58ドル、WTIが55ドルになると予想している。
ダーン・ストルイベン氏を含むゴールドマンのアナリストはリサーチノートで、「成長見通しの弱さを踏まえ」、2025年第4・四半期の世界の石油需要は前年比で日量わずか30万バレルの増加にとどまると予想していると述べた。需要の鈍化は石油化学原料で最も激しくなる見込みという。
トランプ米大統領が中国への関税を145%としたことへの報復措置として、中国は11日、米国からの輸入品への関税を84%から125%に引き上げると発表した。
トランプ政権はその後、中国などから輸入するスマートフォンやパソコンを含む一部電子機器について「相互関税」の適用除外を認めた。ただラトニック米商務長官は13日、これら電子機器を巡り、今後2カ月以内に半導体とともに別の新たな関税が課されることになると述べた。
貿易戦争は売れ残った輸出品が中国国内の価格を押し下げるとの懸念を高めている。ムーディーズ・アナリティクスは10日発表の中国インフレ統計について「貿易戦争に適した経済状態でないことが示された」と指摘した。