米ロが収監者交換、慈善団体への寄付巡り拘束の女性が米に帰国

米国とロシアが収監者の交換を実施した。ウクライナを支援する慈善団体に寄付した罪でロシアで禁錮12年の判決を受けたロシア系米国人のバレリーナ(写真中央)が4月10日、米に到着。米は、ロシア軍に機密性の高い電子機器を密輸する組織を結成したとされる男性を釈放した。交換はアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで行った(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
[モスクワ/ワシントン 10日 ロイター] - 米国とロシアが収監者の交換を実施した。ウクライナを支援する慈善団体に寄付した罪でロシアで禁錮12年の判決を受けたロシア系米国人のバレリーナが10日、米に到着。米は、ロシア軍に機密性の高い電子機器を密輸する組織を結成したとされる男性を釈放した。交換はアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで行った。
バレリーナのクセーニャ・カレリナ氏は二重国籍で、米を拠点とするウクライナ支援団体に51.80ドル寄付したとして、ロシアの裁判所は昨年、反逆罪で有罪判決を下した。
米が釈放したのは、機密性の高い電子機器の輸出に関与したとして訴追され、米の要請で2023年にキプロスで拘束されたドイツとロシアの国籍を持つアルトゥール・ペトロフ氏。
米高官がロイターに述べたところでは、ウィットコフ中東担当特使が先週の電話会談でプーチン大統領にカレリ氏の件を持ちかけ、プーチン氏は「戦争解決に向けた親善として」前向きな姿勢を示した。戦争終結に向けた米とロシア、ウクライナとの協議は継続し、ウィットコフ氏は近くロシアを訪問する予定。
トランプ大統領は「ロシアに感謝する。戦闘停止に向け早期に取引できることを願う」と記者団に語った。