赤沢再生相が近く訪米で調整、米財務長官との協議模索=関係者

トランプ関税を巡り、日米交渉を担う赤沢亮正経済再生相(写真)が近く訪米する方向で調整していることが分かった。複数の関係者が4月11日までに明らかにした。ベッセント米財務長官との関税協議を来週にも実施したい考え。2024年10月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Yoshifumi Takemoto Kentaro Sugiyama
[東京 11日 ロイター] - トランプ関税を巡り、日米交渉を担う赤沢亮正経済再生相が近く訪米する方向で調整していることが分かった。複数の関係者が11日までに明らかにした。ベッセント米財務長官との関税協議を来週にも実施したい考え。
具体的な訪米時期は今のところ未定だが、政府関係者1人によると、日本側は来週の訪米を打診しているという。ベッセント財務長官との協議を巡り、赤沢再生相は「できるだけ早期に顔を合わせたい」と11日の閣議後会見で語った。
トランプ米大統領は9日、相互関税の上乗せ分を90日間停止すると表明したが、10%分の相互課税や自動車への25%関税などの措置は残る。政権与党内には基幹産業への追加負担に伴う景気への影響を懸念する声も多く、米国との協議が実現すればいかに譲歩を引き出せるかが焦点となる。
経済官庁幹部からは「日本経済にとっての最優先事項は自動車」との声が上がっている。自動車産業のすそ野は広く「GDP(国内総生産)へのインパクトを考えた時、25%もの追加関税は無視できない」(前出の幹部)としている。
米国通商代表部(USTR)のグリア代表は農産物を議題にする意向を示しているとされ、「農業分野で一定の譲歩も必要」(別の経済官庁幹部)との声が政府内にはある。
別の政府関係者によると、米国の関税措置に対し、日本側はあらゆる交渉カードを用意している。自動車の安全規制の緩和や農産物の輸入拡大、為替、LNGの投資・輸入拡大が柱になるとの見方が出ている。
赤沢再生相は「現時点で交渉のテーブルは白紙」としている。
日本政府は11日、赤沢氏と林芳正官房長官を共同議長とする「総合対策タスクフォース」を設置。省庁横断的な対策チームを立ち上げた。
赤沢再生相の訪米に先立ち、農産品の輸入拡大を巡り省庁間でコンセンサスを得られるかも焦点となる。