中国国家主席、東南アジアを来週訪問 米との貿易摩擦で関係強化

4月11日、中国国営新華社は習近平国家主席(写真)が来週、東南アジア3カ国を歴訪すると伝えた。米国との貿易摩擦が激化する中、隣国との関係を強化する。3月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[北京 11日 ロイター] - 中国国営新華社は11日、習近平国家主席が来週、東南アジア3カ国を歴訪すると伝えた。米国との貿易摩擦が激化する中、隣国との関係を強化する。
報道によると、習氏は14─15日にベトナム、15─18日にマレーシアとカンボジアを訪問する。今年初の外遊となる。
中国はトランプ米政権から今年145%の追加関税を課される中、同様に米関税の打撃を受ける恐れのある国との関係強化を急いでいる。
カンボジア(米相互関税率49%)やベトナム(46%)、マレーシア(24%)などは既に猶予を求めて米側への接触に動いており、米国との緊張が高まり続ける中国は異例の存在となっている。
習氏は今週、近隣諸国との「全面的な協力」を深めると表明していた。
新華社は中国とマレーシアの「間に流れる水を断ち切ることはできない」と示す記事や、習氏とカンボジアの「揺るぎない友人」に関する記事など、歴訪の特集記事を掲載するという。
中国は米相互関税が9日に発動する前後から、米国の懲罰的な関税に反対する共通路線を維持するよう世界各国・地域に呼びかけている。
中国の王文濤商務相は欧州連合(EU)やマレーシアのほか、サウジアラビア、南アフリカのカウンターパートとオンライン協議を行った。
ベトナムの当局者によると、中国とベトナムは14日に鉄道分野などで約40件の協定に署名する見通し。ベトナムは鉄道網の敷設で中国に資金と技術の供与を求めている。
当局者によると、国防省と公安省も協定に署名する見通し。拘束力がある協定となるかどうかや、資金拠出が含まれるかは不明。過去の公式訪問では調印された協定の大半に拘束力がなかった。