インド25年成長予測を30bp引き下げ=ムーディーズ・アナリティクス

4月10日、ムーディーズ・アナリティックスは、米国の関税引き上げの発表を受け、2025年のインドの成長率見通しを3月時点のベースラインから30ベーシスポイント(bp)引き下げ、6.1%とした。写真は2023年12月、ムンバイで撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)
[ムンバイ 10日 ロイター] - ムーディーズ・アナリティックスは、米国の関税引き上げの発表を受け、2025年のインドの成長率見通しを3月時点のベースラインから30ベーシスポイント(bp)引き下げ、6.1%とした。
同社は「トランプ米大統領は、1週間前に発表した高関税の大半を90日間凍結し、10%の一律関税は維持すると発表したばかりだが、4月の予想ベースラインは、最終的に関税が全面的に発動された場合の経済的打撃を表している」と説明した。
インドにとって最大の貿易相手国である米国は先週、インドに26%の関税を課したが、トランプ氏はその大半を一時凍結した。
ムーディーズ・アナリティックスは、宝石・宝飾品、医療機器、繊維産業が最も大きな打撃を受けると予想。
しかし、インドの国内総生産(GDP)に占める外需の割合は比較的小さいため、全体的な成長はさほど関税の影響を受けない可能性が高いとした。
インド準備銀行(中央銀行)は9日、2会合連続で主要金利のレポレートを引き下げ、金融政策スタンスを「緩和的」に変更した。
中銀のマルホトラ総裁は金融政策声明で、米国が発表した関税措置により不確実性が高まったと警戒感を示したが、成長への影響を数値化するのは難しいとした。
ムーディーズ・アナリティックスは、中銀が25年末までにレポレートを5.75%まで引き下げると予想。これは、今年初めに発表された税制優遇措置とともに、国内経済を押し上げ、脆弱な他国の経済と比較して全体的な成長に対する関税の打撃を和らげるのに役立つとの見方を示した。