韓国大統領選、李在明氏が立候補を正式表明 世論調査で支持率独走

韓国の革新系最大野党「共に民主党」の代表を務めてきた李在明氏(61)が10日、6月3日の大統領選への立候補を表明した。写真はソウルで3月、代表撮影(2025年 ロイター)
Ju-min Park
[ソウル 10日 ロイター] - 韓国の革新系最大野党「共に民主党」の代表を務めてきた李在明氏(61)が10日、6月3日の大統領選への立候補を表明した。李氏は大統領選の最有力候補と目されており、10日に公開した動画で自身が選ばれた場合には格差是正と経済成長に力を入れると公約した。
李氏は今月9日、共に民主党の代表を降りると語っていた。ギャラップが4日発表した世論調査によると、支持する次期大統領候補で李氏が34%となり、9日に立候補を表明した保守系与党「国民の力」の金文洙雇用労働相(73)の9%に大差を付けている。国民の力は5月の予備選で候補者を決める予定だ。
国民の力の韓東勲前代表も10日、大統領選へ名乗りを上げた。呉世勲ソウル市長や、国民の力に所属する安哲秀氏らも出馬が見込まれたり、出馬を表明したりしている。
候補者はさらに増えるとみられるが、現時点で李氏を除けばいずれも世論調査の支持率は1桁にとどまっている。
<「韓米日の協力も重要」>
李氏は動画で、社会的対立の主因だと指摘する経済的二極化の是正を公約し、尹錫悦前大統領の非常戒厳布告による最近の政治的混乱で二極化はさらに悪化したと感じていると強調した。さらに経済成長を復活させるため、技術開発と人材育成への大規模な投資を政府レベルで推進すると訴えた。
保守派の評論家らは、李氏が選ばれれば米国との同盟関係が弱体化し、日本との関係改善に冷水を浴びせる可能性があると警告している。
これに対し、李氏は「現実的に言えば、韓米同盟は重要であり、韓米日の協力も重要だ。その中で一貫しているのは、韓国の国益を最優先するという原則だ」と強調した。
李氏は2022年の大統領選で尹氏と対決し、韓国の大統領選としては最も僅差で敗れた。
李氏はまた、選挙法違反や収賄などの罪で複数の裁判に直面している。