欧州委、大規模汎欧州防衛プロジェクト呼びかけへ=白書草案

欧州連合(EU)欧州委員会は来週公表予定の欧州防衛の将来に関する白書で、「大規模な汎欧州旗艦プロジェクト」の立ち上げを視野に入れ、喫緊の防衛ニーズについて迅速に合意するようEU諸国に呼びかける。写真はブリュッセルで2016年4月撮影(2025年 ロイター/Francois Lenoir)
Andrew Gray
[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は来週公表予定の欧州防衛の将来に関する白書で、「大規模な汎欧州旗艦プロジェクト」の立ち上げを視野に入れ、喫緊の防衛ニーズについて迅速に合意するようEU諸国に呼びかける。
ロシアの攻撃に対する懸念と米国による防衛への不安から、欧州は防衛力を迅速に強化を目指している。
ロイターが13日に入手した白書の草案は、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって欧州で通常戦争が復活したと指摘し、EUは「前例のない安全保障上の脅威」に直面しているとの認識を示している。
「米国による安全保障を当然視することはできない」とし、北大西洋条約機構(NATO)の力を維持するために貢献度を高める必要があると訴えている。
草案は欧州が「能力格差」を抱える分野として、防空・ミサイル防衛、大砲、弾薬、ミサイル、ドローン、軍事輸送、人工知能(AI)、サイバー戦、インフラ保護などを挙げている。
これらの分野で能力差を埋めるため、「汎欧州的な旗艦プロジェクトの開発が必要になる」と呼びかけている。
また、欧州委は「特に調達の明確化と規制の簡素化、調和を通じて」、防衛分野における欧州単一市場の深化を提案するとしている。
戦略的防衛関連分野の政府調達において、EUは欧州優先の原則導入を検討すべきとしている。