EUの関税、蒸留酒業界に「壊滅的な結果」=業界団体

米欧の酒造業界団体は12日、バーボンウイスキーなど米製蒸留酒に影響を与える欧州連合(EU)の関税は、業界にとって「壊滅的な結果」をもたらすとの見解を表明した。(2025年 ロイター/Daniel Cole)
[ロンドン 12日 ロイター] - 米欧の酒造業界団体は12日、バーボンウイスキーなど米製蒸留酒に影響を与える欧州連合(EU)の関税は、業界にとって「壊滅的な結果」をもたらすとの見解を表明した。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は同日、鉄鋼とアルミニウムを巡る米国の関税に対抗し、4月から260億ユーロ(283億1000万ドル)相当の米国製品に関税を課すと表明した。
業界団体spiritsEurope(スピリッツ・ヨーロッパ)のウルリッヒ・アダム事務局長によると、この措置で、一時停止されていたバーボンウイスキーへの関税が復活して税率が50%と倍増する。
この業界団体は、酒造大手のディアジオやジャックダニエルを抱えるブラウンフォーマンなど、米国と欧州の大手蒸留酒メーカーが加盟する。テキーラやジンなども新たな関税の対象となる可能性がある。
米国で蒸留酒を製造する欧州企業が打撃を受ける可能性があり、米欧いずれの企業にも壊滅的となると強調した。
アダム氏は「市場は非常に低迷している」と、高インフレや経済低迷、家計収入の伸び悩みを挙げた上で、関税措置により「大打撃になる」と指摘した。
一方、米国蒸留酒協会は、米製ウイスキーの最大の輸出市場からの「状況を悪化させる関税」は成長のさらなる抑制につながり、米国の蒸留業者や農家に打撃となるだろうと述べた。業界関係者からは、EUの関税が発動する前に、問題が解決されることを望むとの声も出ている。