NY外為市場=ドル小幅高、インフレ鈍化で安心感 関税懸念引き続き重し

ニューヨーク外為市場では、米国の2月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを受け、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対してやや上昇した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 12日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国の2月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを受け、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対してやや上昇した。ただ、トランプ米政権が掲げる関税政策を巡る懸念が引き続きドル相場の重しになっている。
労働省が朝方発表した2月のCPIは前年比2.8%上昇。伸びは1月の3.0%から鈍化し、市場予想の2.9%を下回った。瞬間風速を示す前月比では0.2%上昇と、昨年10月以来の小幅な伸びにとどまり、市場予想の0.3%上昇を下回った。
クラリティFX(サンフランシスコ)のエグゼクティブディレクター、アマルジット・サホタ氏は、トランプ政権の二転三転する関税政策が引き続き市場の焦点になっていると指摘。2月のCPI統計については「インフレはまだかなり粘り強いものの、伸びは予想を下回った」とし、「安心感が広がり、市場心理が改善した」と述べた。ただ、市場心理は急速に変化する可能性があるとの警戒感も示した。
BNYの米国担当マクロストラテジスト、ジョン・ベリス氏は「CPIの伸びが予想を下回ったことで一時的な安心感が広がり、これが為替相場のボラティリティにつながった」と指摘。同時に「ロシア・ウクライナ戦争や関税措置などのかなりの数の主要リスクが存在している」とし、「こうした大きなトレンドを背景に、ドルの方向性に疲労感が出始めている」と述べた。
この日はカナダ銀行(中央銀行)が主要政策金利を0.25%ポイント引き下げ2.75%とした。利下げは7会合連続。トランプ米大統領が打ち出す関税による経済への影響を踏まえ、「新たな危機」に直面していると警告した。
米ドルはカナダドルに対し下落し、1米ドル=1.4370カナダドル。月初からは0.66%下落している。
主要通貨に対するドル指数は0.14%高の103.59。
ドル/円は0.37%高の148.31円。ユーロ/ドルは0.26%安の1.0889ドル。
ドル/円 NY午後4時 148.35/148.36
始値 148.68
高値 149.19
安値 148.12
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0890/1.0891
始値 1.0905
高値 1.0930
安値 1.0876