EU財務相、防衛力強化資金の調達方法巡る協議開始

3月10日、欧州連合(EU)各国の財務相は、欧州の防衛力強化に向け、新たな共同借り入れの枠組みや既存のEUの基金、欧州投資銀行(EIB)などの活用で資金を調達する方法について協議を開始した。ブリュッセルで2016年撮影(2025年 ロイター/Francois Lenoir)
Jan Strupczewski
[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)各国の財務相は10日、欧州の防衛力強化に向け、新たな共同借り入れの枠組みや既存のEUの基金、欧州投資銀行(EIB)などの活用で資金を調達する方法について協議を開始した。6月に具体的な決定を行うことを視野に入れている。
財務相会合は、6日に開催したEU特別首脳会議で「欧州再軍備計画」が合意されたことを受けた動き。
会合の議長役を務めるポーランドのドマンスキ財務相は、特別首脳会議で「欧州が自らの安全保障への責任感を高め、膨大な再軍備のための資金を確保するという絶対的な政治意思」が確認されたと述べた。
EU欧州委員会は既に各国による兵器の共同購入のために1500億ユーロを融資する枠組みを提案しており、ドイツが早速賛成している。
ドイツのクキース財務相は「ドイツが非常に前向きで明確に支持しているのは、防衛分野で確かに全欧州のプロジェクトであるならば共同の資金繰りを考えるべきということだ」と語った。
議論になっている問題の1つは、こうした枠組みでどこから武器を購入するかという点。フランスなどは欧州企業から買い入れることを望んでいるが、ドイツは欧州以外からの購入にも目を向けている。
財務相会合では、防衛力強化資金に関して軍事用と民間用の双方にメリットがあるプロジェクト向けのEUの基金を利用したり、EIBに新たな融資制度を設けたりすることも検討する。
また11日にはEUの財政ルールを変更し、各国の財政支出拡大余地を広げようという問題を話し合う予定だ。