米国務長官、マスク氏と投稿応酬のポーランド外相を非難

3月9日、ルビオ米国務長官は、ウクライナにとって「スターリンク」に代わる衛星通信サービスが必要かもしれないとコメントしたポーランドのシコルスキ外相を非難した。写真はウクライナ国旗とスターリンクのロゴ。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ワルシャワ 9日 ロイター] - ルビオ米国務長官は9日、ウクライナにとって「スターリンク」に代わる衛星通信サービスが必要かもしれないとコメントしたポーランドのシコルスキ外相を非難した。
スターリンクはトランプ米大統領の盟友で実業家のイーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXが運用。ポーランドが利用コストを負担する形で、スターリンクはウクライナと同国軍にインターネット接続サービスを提供している。
マスク氏は「それ(スターリンク)を遮断すれば(ウクライナの)前線全体が崩壊する」とXに投稿。これに対し、シコルスキ氏もXで「侵略の犠牲者を脅すことの倫理は別として、スペースXが信頼できないプロバイダーであることが証明されれば、われわれは他のサプライヤーを探さざるを得なくなるだろう」と応じた。
マスク氏は一連の投稿で「お前(シコルスキ氏)が払うコストはほんのわずかだ。スターリンクに代わるものはない」、「明確にしておくが、ウクライナの政策にどれだけ反対であろうと、スターリンクがターミナルを遮断することはない。われわれはそのようなことは決してしないし、交渉材料に使うこともない」とも述べた。
こうしたやり取りを受け、ルビオ氏はXへの投稿で「誰もウクライナをスターリンクから切り離すなんて脅しはしていない」として、シコルスキ氏が「作り話をしている」と批判。「スターリンクがなければ、ウクライナはとっくの昔にこの戦争に負けていただろうし、ロシア人は今ごろポーランドとの国境にいただろうから、ありがとうと言うべきだ」とした。
ポーランド外務省の報道官はテキストメッセージを通じ、スターリンクのサービス提供は米国の慈善行為ではなく、ポーランドはその費用を支払っていると述べた。