マレーシア中銀、政策金利据え置き 世界経済のリスク警告

3月6日、マレーシア中央銀行は政策金利を予想通り3%に据え置いた。写真は2019年7月、クアラルンプールの同行で撮影(2025年 ロイター/Lim Huey Teng)
[クアラルンプール 6日 ロイター] - マレーシア中央銀行は6日、政策金利を予想通り3%に据え置いた。今年は引き続き堅調な経済活動が見込まれ、インフレも管理可能だが、世界経済のリスクが増していると警告した。
政策金利は2023年5月から3%に維持されている。市場は少なくとも今年末まで政策金利が据え置かれると予想している。
中銀は「外部の不透明要因にもかかわらず、内需がけん引し、25年も経済活動の力強さが持続する見通しだ」と表明。
ただ「世界の成長、インフレ、貿易の見通しは、主要国の関税などの政策と地政学的動向を巡る相当な不確実性に左右される」と述べた。
国内インフレ率については、世界的なコスト状況の緩和と過度な内需圧力の不在を背景に25年も管理可能な水準にとどまると予想。1月の総合インフレ率は1.7%、コアインフレ率は1.8%だった。
最近導入された賃金政策がインフレに及ぼす影響は限定的だが、国内政策の一段の変更や、国際商品価格、金融市場、貿易政策が潜在的なリスクになり得ると指摘した。
また、金融市場は世界的な不確実性によりボラティリティーが高まる可能性があるが、良好な国内見通しと構造改革が通貨リンギの下支えに寄与するとの見方も示した。
キャピタル・エコノミクスのアナリストは、年内の金融政策変更を予想していないが、年半ばに見込まれる燃料補助金の一部削減に伴いインフレ率が上昇する可能性が高いと警告。
「これに伴い、来年の総合インフレ率は3%を超える可能性が高い。中銀は明確な目標を掲げていないが、前年比で3%を超えるインフレは、中銀が安心できる範囲内ではないと考えられる」と述べた。