ニュース速報
ワールド

米、関税導入でもカナダ産原油の輸入大幅減に数年必要=エンブリッジ

2025年03月05日(水)12時47分

 3月4日、カナダのパイプライン大手エンブリッジのグレッグ・エベル最高経営責任者(CEO)は、トランプ米政権の対カナダ関税発動を受け、米国が大半の原油の調達先をカナダ以外に変更するには数年かかるとの見方を示した。写真はエンブリッジの貯蔵タンク。米イリノイ州 で昨年6月撮影(2025 ロイター/Nicole Jao)

[カルガリー 4日 ロイター] - カナダのパイプライン大手エンブリッジのグレッグ・エベル最高経営責任者(CEO)は4日、トランプ米政権の対カナダ関税発動を受け、米国が大半の原油の調達先をカナダ以外に変更するには数年かかるとの見方を示した。ニューヨークで開かれた投資家向けイベントの後に記者団の取材に応じた。

エベル氏は、米国とカナダのエネルギーインフラは極めて密接に絡み合っており、米国が日量約400万バレルのカナダ産原油の輸入を他の産地に置き換えるのは容易ではないと指摘。「米国が非常に長期間にわたり課税を続けなければ、貿易のパターンは変わらないだろう。米国が他の供給元を見つけるのは非常に難しい。同様に、カナダの生産者が米国以外の買い手を見つけるのも相当困難だ」と述べた。

米関税はカナダ産原油の価格に影響を及ぼすかもしれないが、需要や市場の流れなど「経済の実態」は崩れにくいと語った。

カナダ産原油は輸出の約90%が米国向け。エンブリッジは北米産原油の約40%を扱っており、主力の「メインライン」は北米最大の原油パイプライン網。

トランプ政権は大半のカナダ製品に25%、カナダのエネルギー製品に10%の関税を課した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏英、ゼレンスキー氏と再訪米を検討 「数日内」に和

ワールド

トランプ氏、カナダ首相と電話会談 関税など巡り協議

ワールド

ゼレンスキー氏、米との協力に「前向きな進展」 近く

ビジネス

米、加・メキシコ製自動車への関税導入30日延期を検
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行為」「消費増税」に等しいとトランプを批判
  • 3
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは?
  • 4
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 5
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 6
    強まる警戒感、アメリカ経済「急失速」の正しい読み…
  • 7
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 8
    定住人口ベースでは分からない、東京23区のリアルな…
  • 9
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 10
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 4
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 5
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 6
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 7
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 8
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 9
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 10
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中