米USTR、中国の海運・造船市場支配是正策で「入港税」など提案
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2月21日、米通商代表部(USTR)は連邦政府官報で、中国による海運・造船分野での不当な市場支配と競争阻害に対する是正措置を提案した。写真は、中国大連市の石油タンク近くに見える中国船舶。2019年10月、大連市で撮影(2025年 ロイター)
David Lawder
[ワシントン 24日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は21日の連邦政府官報で、中国による海運・造船分野での不当な市場支配と競争阻害に対する是正措置を提案した。中国で製造された船舶や、中国の海運事業者の船舶などが米国の港湾に入る際に「入港税」を徴収することが柱だ。
この問題でUSTRはバイデン前政権時代の2024年4月、全米鉄鋼労組を含む5つの労組の申し立てを受け、通商法301条に基づく調査を開始。今年1月16日に公表した報告書で、中国が大規模な補助金や国有企業への優遇措置などを通じて、1999年に5%だった世界の造船シェア(トン数)を23年に50%超まで高め、1975年に年間70隻だった米国の造船数は現在5隻に激減したと指摘した。
入港税は中国の海運事業者の船には最高で1隻当たり100万ドル、中国以外の海運事業者の場合、中国で製造された船舶で入港すると最高で1隻当たり150万ドルが課される。また米国向け輸出については、最初の2年間は積み荷のうち少なくとも1%を米国で製造された船舶で運ぶことが義務付けられ、この割合は段階的に引き上げられる。
米国の海運データに中国側がアクセスするのを制限することや、米国の港湾による中国当局提供の物流データシステムの利用禁止も提案された。
USTRは3月24日に是正案に関する公聴会を開催する予定だ。