豪中銀、追加利下げに慎重姿勢 インフレ率次第で検討も
Peter Hobson Stella Qiu
[キャンベラ/シドニー 21日 ロイター] - 豪準備銀行(中央銀行)高官は21日、労働市場におけるコスト圧力を踏まえ追加利下げには慎重だが、インフレ率が予想より早く低下すれば利下げを検討する考えを明らかにした。
ブロック総裁は議会で、労働市場が経済の強さを示しており、それがディスインフレの進行を遅らせる可能性があることを中銀は警戒していると述べた。
「現時点で金利をもう少し引き下げる余地はあると考えているが、慎重にならなければならない」とし、「(金利について)事前に約束しているわけではない。データに基づいて判断するが、忍耐強く待つ必要がある」と語った。
豪中銀は今週、約4年ぶりに利下げを決定したが、インフレ鈍化が継続しなければ、さらなる緩和は確実ではないとした。
ブロック氏は利下げの決定について、これ以上利下げを遅らせたくなかったためだと説明した。豪中銀はそれまで1年以上金利を据え置き、金融緩和で他の主要中銀に後れを取っていた。
一方で中銀は、労働市場の予想外の強さが追加利下げの障害の一つと指摘した。これがコスト上昇圧力を刺激し、コアインフレ率が目標に向けて低下するのを妨げる可能性があるとの見方を示した。
ハウザー副総裁は「われわれが間違っていてインフレ率がより速く低下すれば、その事実を歓迎することができ、政策対応する必要がある。しかし、そうなると想定するよりも様子を見たい」と述べた。
同氏は中央銀行がいったん利下げを始めても、緩和政策を続けるとは限らないとの見解を示した。
スワップ市場では、4月の利下げ確率は17%にとどまっているが、5月は70%となっている。今年の利下げ予想は40ベーシスポイント(bp)。