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台湾総統、対米投資拡大と国防費増額の意向 トランプ氏に配慮

2025年02月14日(金)15時39分

 2月14日、台湾の頼清徳総統(写真)は、半導体産業を巡るトランプ米大統領の懸念について米国側と協議し、対米投資と米製品購入を増やすとともに、国防費を増額すると表明した。写真は14日、台北で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)

Yimou Lee Ben Blanchard

[台北 14日 ロイター] - 台湾の頼清徳総統は14日、半導体産業を巡るトランプ米大統領の懸念について米国側と協議し、対米投資と米製品購入を増やすとともに、国防費を増額すると表明した。

トランプ氏は前日、台湾が米国から半導体産業を奪ったという主張を繰り返し、米国内で半導体製造を復活させる意向を示した。

頼氏は総統府で開いた国家安全会議後、世界の半導体サプライチェーン(供給網)は各国間の分業が重要だと記者団に発言。「トランプ大統領の懸念はもちろん承知している」とした上で、政府が業界と意思疎通を図って、米側に良い提案をすると述べた。

台湾の対米黒字は昨年、83%急増。半導体などのハイテク製品の需要がけん引し、対米輸出額は1114億ドルと過去最高を記録した。

頼氏は「台湾が半導体で優位に立っていることは認めるが、国際社会の繁栄に貢献することは台湾の責務でもある」と強調した。

半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は米アップルや米エヌビディアなどの主要サプライヤーで、人工知能(AI)産業発展にも重要な役割を担う。

同社はトランプ政権1期目の2020年に米アリゾナ州の新工場に650億ドルを投資するプロジェクトを開始した。

また頼氏は、今年の国防費を国内総生産(GDP)比で従来の2.5%から3%に引き上げる予算の提案を目指していると明らかにした。

ロイター
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