米上院、ICC関係者制裁法案を否決 民主党の大部分が反対
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1月28日、国際刑事裁判所(ICC)の関係者を制裁する「非合法裁判所対策法案」が米議会上院で否決された。写真は、国際刑事裁判所。2019年1月、オランダのハーグで撮影(2025年 ロイター/Piroschka van de Wouw)
[ワシントン 28日 ロイター] - 国際刑事裁判所(ICC)の関係者を制裁する「非合法裁判所対策法案」が米議会上院で28日、否決された。民主党議員の大部分が反対したため賛成は54票にとどまり、可決に必要な60票を下回った。反対は45票だった。
この法案は、パレスチナ自治区ガザを激しく攻撃したイスラエルのネタニヤフ首相らの逮捕状をICCが発布したことに抗議して共和党議員が提出。ネタニヤフ氏の2月4日のホワイトハウス訪問を控えて成立を目指していた。
今月の下院での採決では、共和党に加えて民主党議員45人も賛成したため賛成243票、反対140票で可決していた。
上院では、ジョン・フェッターマン議員が民主党で唯一賛成した。民主党のジョン・オソフ議員は投票しなかった。
この法案は米国民や、ICCに加盟していないイスラエルを含めた同盟国の国民を不当に調査、逮捕、拘留、起訴した外国人に制裁を課す内容。
上院の民主党は法案の大部分に賛成だとしながらも、反対理由について範囲が広すぎることや、米国の重要な同盟国を遠ざけ、ICCの下級職員にも制裁を課してしまうリスクがあるためだとしていた。
米上院外交委員会の民主党トップ、ジャンヌ・シャヒーン議員は同党が共和党と妥協点を見出そうとしたものの、不可能だったと述べた。
トランプ大統領が大統領令を出してICCに制裁を科すかどうかについてホワイトハウスにコメントを求めたが、すぐには回答がなかった。