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世界エイズ・結核・マラリア基金が民間調達強化、米WHO脱退表明で

2025年01月23日(木)12時50分

 「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」のピーター・サンズ事務局長が今週、ロイターのインタビューに応じ、民間部門に寄付金の大幅増額を要請する方針を明らかにした。トランプ米大統領が20日に就任し、世界保健機関(WHO)脱退を表明したことでグローバルファンドも政府拠出が不足すると懸念されるのが一因。写真はドルと医薬品。昨年6月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Jennifer Rigby

[ロンドン 21日 ロイター] - 「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」のピーター・サンズ事務局長が今週、ロイターのインタビューに応じ、民間部門に寄付金の大幅増額を要請する方針を明らかにした。トランプ米大統領が20日に就任し、世界保健機関(WHO)脱退を表明したことでグローバルファンドも政府拠出が不足すると懸念されるのが一因。

同基金は今年後半に新たな資金調達ラウンドを開始する際、慈善団体や民間企業などに前年の13億ドルよりも50%近く増額した総額20億ドルの資金拠出を要請する。スイスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発表する方針だ。

米国は以前からグローバルファンド最大の寄付国。前回の資金調達ラウンドで60億ドルの拠出を約束した。第1次トランプ政権での寄付額は、それ以前の政権と同程度だった。

事務局長はまた、世界的に政府財政を巡る環境が厳しくなっている上、紛争対応から気候変動への対策まで幅広い活動に対する需要の増加に直面していると指摘。民間調達強化の方針は昨年11月の米大統領選前に発表の準備を整えていたと話した。

事務局長は「私たちは人への影響、特に最も貧しく疎外された人たちの健康への影響に焦点を当て続ける必要がある」と述べ、活動資金を着実に確保する必要性を強調した。

国際的な保健組織の資金調達を巡っては、「GAVIワクチンアライアンス」など多くが今年の実行を検討している。GAVIは最貧国の小児予防接種を支援するため90億ドルを必要としているが、昨年12月に目標を達成できないリスクが高まっていると強い懸念を表明。今年、民間投資家グループを設立し、資金源の多様化に重点を置く計画も視野に入れている。

ロイター
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