ニュース速報
ワールド

タイ中銀の次期理事長候補、法制委事務局が不適格と判断

2024年12月25日(水)09時51分

タイの複数のメディアは12月24日、タイ中央銀行の次期理事長候補に選出されたキティラット元財務相について、政府の法制委員会事務局(OCS)が理事長の資格を満たしていないと判断したと報じた。2011年8月、バンコク郊外で撮影(2024年 ロイター/Chaiwat Subprasom)

Panu Wongcha-um

[バンコク 24日 ロイター] - タイの複数のメディアは24日、タイ中央銀行の次期理事長候補に選出されたキティラット元財務相について、政府の法制委員会事務局(OCS)が理事長の資格を満たしていないと判断したと報じた。事情に詳しい関係者が報道内容を確認した。

中銀の次期理事長選出を巡ってはロイターが、政府は与党との結び付きが強いキティラット氏を指名すると報道。中銀の独立性が脅かされるとして野党は激しく反発したが、独立委員会は先月、キティラット氏を次期理事長候補に選出した。

しかしOCSは、キティラット氏がこの1年間政府の顧問職にあり、政治的に中立的な立場だと見なすことはできないため、理事長に適さないとの見解を示した。

OCSはロイターのコメント要請にすぐには応じなかった。ただ国内メディアによるとOCSの事務局長はまだ結論は出ていないと述べた。また別の消息筋はOCSがこの件についてまだ協議を続けていると述べた。

キティラット氏は指名に感謝するとSNSに投稿したが、報道には言及しなかった。同氏は先週、理事長には金融政策に影響を与える権限はなく、中銀の政策に介入することはないとも述べている。

一方、ピチャイ財務相は24日に記者団に、OCSがキティラット氏は不適格だと判断すれば新たな候補を選ぶ必要があると述べた。

理事長は中銀の金利政策に指示を出すことはできないが、次期総裁選びに一定の影響力を持つ。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロが電力インフラに大規模攻撃、「非人道的」とゼレン

ワールド

カザフスタンで旅客機墜落、67人搭乗 32人生存

ワールド

日中外相が会談、安保・経済対話開催などで一致

ビジネス

政府経済見通し24年度0.4%に下げ、輸出下振れ 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシアの都市カザンを自爆攻撃
  • 3
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリスマストイが「誇り高く立っている」と話題
  • 4
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 5
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 8
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 9
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 5
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 6
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 7
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 8
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 9
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 10
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中