イラン、核施設でウラン濃縮用分離機を増設へ=IAEA報告書
イランが中部のフォルドゥとナタンズにある核施設でウラン濃縮用遠心分離機の設備を増設するとともに、最近設置された遠心分離機をオンライン化する計画を、核合意順守を監視する国連監視団に伝えたことが11月28日に分かった。写真はイラン国旗。2021年5月、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部で撮影(2024年 ロイター/Lisi Niesner)
Francois Murphy
[ウィーン 28日 ロイター] - イランは国際原子力機関(IAEA)に対して、濃縮施設に6000基以上のウラン濃縮遠心分離機を増設し、既に設置済みの遠心分離機も稼働させる計画を伝えた。IAEAの機密報告書をロイターが確認した。
IAEA理事会は今月21日、イランに対してIAEAとの協力を早期に改善するよう求める決議を採択していた。
濃縮能力の増加は、イランがより迅速にウランを濃縮できることを意味し、核拡散のリスクを潜在的に高める可能性がある。一方、イランは核兵器開発を否定している。
イランは既にナタンズとフォルドウの2つの地下施設と、ナタンズの地上施設で計1万基を超える遠心分離機を稼働させている。報告書によると、イランは遠心分離機にカスケード(複数の遠心分離機を連結した設備)を32組増設し、最大1152基の高度なIR─6遠心分離機からなる巨大カスケードを設置する計画。
IAEAはこれに対し監視を強化する方針だが、ウラン原料の供給は現時点で未確認。
先週のIAEA理事会の直前にイランは濃縮度を60%に高めたウランの備蓄に上限を設けることを提案したが、理事会がイランに対する決議を可決しないことを条件としていたという。