香港民主派メディア創業者、前トランプ米政権への働きかけ否定 法廷で証言
11月20日、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた民主派メディア「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏(写真)が、法廷で初めて証言し、米国など他国の対中国・香港政策に影響を与えようとしたことはないと述べた。写真は2020年5月、香港で撮影(2024年 ロイター/Tyrone Siu)
[香港 20日 ロイター] - 香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた民主派メディア「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏が20日、法廷で初めて証言し、米国など他国の対中国・香港政策に影響を与えようとしたことはないと述べた。
裁判は昨年12月に始まった。外国勢力との共謀、扇動的文書の配布による国安法違反に問われている。
外国勢力の共謀については、ライ氏らが米国などの外国・機関に中国・香港への制裁などを要請したとし、2019年7月に第一次トランプ米政権のペンス副大統領とポンペオ国務長官と会談し、民主化・反中デモが激化していた香港の政治危機について話し合ったことが指摘されている。
20日の法廷で、ライ氏はペンス氏に具体的な要請をした事実はないと主張。ポンペオ氏には「香港への支持」表明を求めたと述べた。
台湾に関しては、トランプ大統領と蔡英文総統(当時)の非公式なルート構築に向け、ウォルフォウィッツ元米国防副長官とジャック・キーン元退役陸軍大将を蔡氏の仲介者に引き合わせようとしたと説明した。
「われわれは常に自由を求める運動を支持していた」と述べた上で、香港と台湾の独立には反対だとした。
数百人の警官が配備される厳重警戒の中、裁判を傍聴しようと約100人が行列を作った。
19日には、国安法違反で起訴された民主活動家45人に最高で禁錮10年の判決が言い渡された。