習氏、南米歴訪開始 中国出資のペルー大型港式典に出席
11月14日、中国の習近平国家主席が、1週間にわたる南米歴訪を開始した。写真は習主席(左)とペルーのボルアルテ大統領。リマで同日撮影(2024年 ロイター/Agustin Marcarian)
Eduardo Baptista Marco Aquino Lucinda Elliott
[リマ 14日 ロイター] - 中国の習近平国家主席が14日、1週間にわたる南米歴訪を開始した。初日は中国が13億ドルを出資したペルーの大型深海港「チャンカイ港」の開港式典にオンラインで参加。南米で通商や影響力の拡大を目指す。
習氏はペルーの首都リマで開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する予定。来週にはブラジルのリオデジャネイロで開く20カ国・地域(G20)首脳会議に参加するほか、ブラジルへの公式訪問も行う。
習氏はペルーのボルアルテ大統領とともに、リマの北方80キロに位置し太平洋に面するチャンカイ港の開港式典にオンラインで参加。既存の自由貿易協定(FTA)を拡充する文書にも調印した。
習氏はチャンカイ港について、巨大経済圏構想「一帯一路」の一環であり「21世紀の海上シルクロード」が成功裏に始まったと発言。同港を起点に中国と中南米の間に新たな海陸回廊を築くと述べた。
同氏はペルーの公式日刊紙エル・ペルアーノにも寄稿し、チャンカイ港のプロジェクトでは年間45億ドルの収入が発生し、8000人以上の雇用が直接創出されると指摘。ペルー─中国航路の物流コストを20%削減できると述べた。
同港は中国の中遠海運港口(コスコ・シッピング・ポーツ)が建設。中国は1期目の工事に13億ドルを投資した。同国は追加の投資を行うとみられている。
米政府は中国の大型投資に警戒感を示しており、元米軍関係者は今月、チャンカイ港が中国の海軍や情報収集に利用される可能性があると警告した。