米10月財政赤字、前年比4倍に急拡大 特殊要因が影響
11月13日、米財務省が発表した10月の財政収支赤字額は2570億ドルで、前年同月比287%増と約4倍に急拡大した。米首都ワシントンで2023年1月撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)
David Lawder
[ワシントン 13日 ロイター] - 米財務省が13日発表した10月の財政収支赤字額は2570億ドルで、前年同月比287%増と約4倍に急拡大した。
歳出は24%増の5840億ドル、歳入は19%減の3270億ドル。社会保障や医療、国防関連の歳出が膨らんだ一方、公的債務返済費用は昨年8月以降で初めて減少した。債務返済負担が軽減されたのは、消費者物価下振れに伴って物価連動国債の支払いが少なくなったためだ。
財務省によると、10月の赤字急拡大は特殊要因が影響している。各種給付金支払いのカレンダー調整を行ったり、前年同月がカリフォルニア州の山火事などの自然災害で繰り延べられていた税収があった点などの事情を除外したりすると、赤字額の増加幅は前年比22%、約470億ドルにとどまるという。
トランプ次期米大統領によって政府業務効率化を担う組織の責任者の1人に指名された実業家イーロン・マスク氏は、連邦政府予算を「少なくとも2兆ドル」削減できると発言しているが、削減に要する期間は明らかにしていない。