FRB、雇用・インフレ目標達成に向け進展=クーグラー理事
米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事(写真)は14日、FRBが雇用とインフレの目標達成に向けた取り組みでかなりの進展を遂げたと述べた。3月撮影。(2024年 ロイター/Ann Saphir/File Photo)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は14日、FRBが雇用とインフレの目標達成に向けた取り組みでかなりの進展を遂げたと述べた。金融政策の短期的な見通しは明らかにしなかった。
中南米・カリブ経済学会と計量経済学会の中南米・カリブ支部がウルグアイで開催する年次会合向けの講演原稿で見解を示した。
クーグラー氏は「米国ではかなりのディスインフレが見られる。一方、労働市場は冷え込んでいるものの依然底堅い」と指摘。
インフレについては目標の2%に向けて進展が見られるが、住居費などに起因にする物価圧力を一段と緩和する上で今後も課題が続く可能性が高いとの認識を示した。労働市場はバランスを取り戻し、冷え込んでいるとも述べた。
現在の環境が金融政策にどのような意味合いを持つかについては、結局のところデータ次第だと指摘。来月の利下げを予想しているかどうかには触れなかった。
「ディスインフレの傾向は続いているが鈍化しており、労働市場は冷え込みつつある。これは責務の両面に引き続き配慮する必要があることを意味する」と指摘。「(インフレがさらに緩和しない場合は)利下げ中断が適切になるだろう。だが、労働市場が突然減速すれば、段階的な利下げを継続することが適切になる」と述べた。
トランプ次期米大統領の下で中銀の独立性が脅かされる可能性が懸念される中、クーグラー理事は中銀の独立性を巡る利点について強調した。
独立した中銀には、選挙で選ばれた指導者にはできないことがあるほか、経済の動向を長期的な視点で見極める自由もあると指摘。「中銀の独立性は適切な政策と経済成果を達成する上で不可欠であると、広く認識されており、経済研究の結果でもある」と述べた。中銀が政策や業務について透明性を保つことも引き続き重要とも述べた。