イスラエル軍、ベイルート南部を空爆 ヒズボラはミサイルで応戦
イスラエル軍は5日、レバノンの首都ベイルート南部のバルジャを空爆し、20人が死亡、14人が負傷した。写真は6日、バルジャで撮影(2024年 ロイター/Aziz Taher)
[バルジャ(レバノン) 6日 ロイター] - イスラエル軍は5日、レバノンの首都ベイルート南部のバルジャを空爆し、20人が死亡、14人が負傷した。死者数はさらに増える可能性があるとみられる。レバノン保健省が明らかにした。
イスラエル軍は6日にも、レバノン南部の主要都市ナバティエの特定地区に避難命令を発令後、同市への攻撃を実施。今のところ死傷者の報告はないという。
ヒズボラも同じく6日、イスラエルのテルアビブ近郊にあるベングリオン空港近くのイスラエル軍基地にミサイル一斉発射を行ったと発表した。イスラエル北部と中部ではサイレンが鳴り響き、イスラエルのメディアによるとロケット弾が空港近くに着弾した。
過去1年間のイスラエルによるレバノン攻撃で3000人以上が死亡しており、その大部分がここ6週間での犠牲者とされる。
イスラエルとヒズボラ間の戦闘停止を巡っては、米国の取り組みが行き詰まりをみせている。先週1日には、米国から実行可能な提案が提示されていないため、紛争は数カ月にわたって続く可能性があることが示唆された。
こうした中、5日投開票された米大統領選で、共和党のトランプ前大統領が4年ぶりに返り咲きを果たした。イスラエルのネタニヤフ首相は「歴史的な復帰」を祝福。レバノンのミカティ暫定首相もトランプ氏の名前を挙げずに、米国の「次期大統領」に祝意を表した。
イスラム組織ハマスとパレスチナ自治政府は、トランプ氏に対し和平を実現するよう呼びかけ。ハマスの幹部サミ・アブ・ズフリ氏は、大統領になれば数時間でガザ戦争を止められるとのトランプ氏の以前の発言について、その真偽が試されると述べた。
ネタニヤフ首相は5日、ガラント国防相を解任し、カッツ外相を後任に任命。カッツ氏は、イスラエル北部から避難した人々が無事に帰還できるようヒズボラを「打倒」すると表明した。これを受け、レバノンでは戦争の一段の激化が懸念されている。