FRB利下げサイクル、予想より小幅かつ早期終了も トランプ氏勝利で
トランプ前米大統領が大統領選で勝利し、米国のインフレ抑制に向けた進展が失速する見通しとなる中、連邦準備理事会(FRB)がこれまで予想されていたほど大幅な利下げを実施しない可能性が出てきた。2022年6月撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
[6日 ロイター] - トランプ前米大統領が大統領選で勝利し、米国のインフレ抑制に向けた進展が失速する見通しとなる中、連邦準備理事会(FRB)がこれまで予想されていたほど大幅な利下げを実施しない可能性が出てきた。
トランプ氏は追加関税や減税、移民抑制を公約に掲げている。エコノミストらはこうした政策が経済成長加速や労働市場の引き締まりにつながり、輸入コスト増大に相まって価格に上昇圧力がかかる可能性が高いという見方を示している。
6─7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%ポイント利下げが実施されることが引き続き予想されている。
しかし、金利先物市場ではFRBが現在の利下げサイクルを来年6月までに終了し、その時点での政策金利は3.75─4%のレンジになるという見方が織り込まれた。これはFRB当局者の大半の予測よりも1年以上早く、1%ポイント高い水準だ。
一方、一部アナリストは、トランプ氏の政策の影響が遅れて表れる可能性やトランプ氏が全ての公約を完全に実行しない可能性もあると警告する。オックスフォード・エコノミクスのアナリストらは「関税と拡張的財政政策によるインフレへの影響が遅行すれば、FRBは2026年まで利下げを継続できる」とし、FRBが26年半ばまでに金利を3%近辺まで引き下げるという見通しを維持した。